妄想与太話。

大学生の日記です。

2018年も過去になる。

(この記事は約1900文字です。 目安読了時間:2分強)

 

先日図書館で昭和初期からの物価推移が載っている資料を読みました。

 

「あ、大卒初任給はここから上がってる…けど安!」とか

「はあ、60年代はこれが流行っていたのか」など

 

発見があったのですが、僕にとってはもう実感できない過去とはいえ、まぎれもなくその時代が当たり前に存在し、そこに生きていた人びとがいるのだと改めて考えさせられました。

 

どうしても「今現在(2018年)」に目が行きがちですが、今この瞬間も過去になり、そしていつか誰も覚えていない時間になるんでしょう。100年後には今この世界を構成している人間はほぼ死んでしまいまし。…少し寂しい気もします。

 

最後の審判じゃないですけど、「どうせ死ぬ」というゴールに猛スピードで進んでいることが少し怖く、しかしどこか現実味がない中で、毎日を過ごすばかりです。

 

 

ところで、心を落ち着かせる効果がある(個人的に)ので僕はよくお墓に行くのですが

そこの下にいる人たちも現役で生きていて、「生き終わった」人びとなんですよね。

 

彼らがどんな夢や苦悩を持っていたのかわかりませんが、今や誰もそれを気にかけていない。

そこの享年90代の女性は命をかけたロマンスの経験者かもしれないし、50代で亡くなっている男性はまさか自分が早死にするとは思っていなかったかもしれない。

でも全てが過ぎ去ったことです。

 

これと同じことが未来でも起こるし、人類はそうやって生きてきたのでしょうが、そういうことを考え始めてしまうと、今現在の些細なニュースや自分の悩みがひどく矮小なものに感じてしまいます。

 

あまり自分より若い人と話さないのでまだジェネレーションギャップを感じていませんが、たぶんそのうち

「ネットがなくてどうやって生活したの?」

ガラケーって何?」

「運転て手動でやってたの?」

みたいな子ども、若者が出てくるんでしょうね。いやあ恐ろしい。

 

偶然、20世紀の終わりに生まれたからこそ、僕は大学に通わせてもらい、就職先も決まり、スマホなんて持っていますが、ほんのちょっと生まれる時代が異なれば、今頃戦争で出兵、何もせずに犬死にしてたかもしれません。

 

特攻隊の資料がある知覧に訪れたことがあるんですが、そこに隊員からの手紙が展示されていて、たしか10代後半、20前後の若者が差出人だったのですが、家族それぞれにメッセージを綴ったあと、恋人宛に

 

「会いたい 会いたい 無性に」

 

っていう文で締められているのがあり、正直どんな天才が作る文章よりも心にくるものがありました。

 

確実にこの手紙を出した後青年は自爆して木っ端みじんになっているのであり、

そうなったのは志願兵であったとしても「時代のせい、運が悪かった」としか言い様がなく、本当に人間というものは環境によって人生を決められていると思います。

 

戦時中に生まれなくとも、70年代なら交通戦争や公害などが起こるし、それ以降も時代によって未来から見たら「今じゃ考えられん!」みたいな問題がたくさんあるのでしょう。

 

体感してないから実感できないのは当たり前なのですが、時間の流れが一方通行なのはどうも…むなしい。

過去から手紙は残せるが、未来の自分が経験した後悔から忠告するということができない。

他人からの忠告もありますが、やっぱり本人の忠告じゃないと真に響かない。

 

それでも、昔の人の日記なんか見ると、同じ人間だと実感できます。

技術や常識が変わっても、人間的本質には変わらないものがあるのかもしれません。

 

 

 

で、今僕がやっていることは未来の子孫に宛てた手紙を作ることです。

 

もう二十歳は過ぎましたが、高校時代から日記をつけているので、そこに書いてあることも考慮しながら、生きることについて正直に綴っています。

 

まあ、子孫がいないっていう事態がこのままだと発生しかねないので、それは回避したいです。全力で。そこはもう……うん。

 

で、僕が灰やら土やらになったあとも、そこに生きている人間に何かしらの変化が与えられたら、と思っています。

 

ちょうど僕が今は亡き、マイケル・ジャクソンジョージ・マイケル星新一デール・カーネギー渋沢栄一、エルジェ…といった人たちの著作に影響を受けるように。

 

もちろん、そんなすごいものは作れませんから、そこは血縁のよしみで気を引きたいと思います。あ、未来予想するのもいいかも。

 

ひいじいちゃんが毎日なに考えて過ごしてきたかとか…僕なら気になるんだけどなあ。

そして願わくば子孫でリレーしたり付け加えたりしてもらいたい。

 

唯一残念なのは僕がその手紙を見れないこと。まあ、死んじゃったらそんなことも考えられなくなるんですけどね。