妄想与太話。

大学生の日記です。

何度も懲りない男

(この記事は約2300文字です)

 

今まであまたの自己啓発書やハウツー本を読んできて言えるのは「その本を読んだからといってすぐにスキルが身につくわけではないよ」ということ。むしろただの暇つぶしになってしまうものも少なくない。それなのに今日もまた本を読みあさってしまう…

 

ネット上の記事や投稿動画、新書・実用書などはたいてい魅力的なタイトルを授けられている。「誰でも簡単に○○する方法」とか○○(=普通の人がやれなさそうなこと)やったみた!」、「危険!あなたの○○間違っています」などだ。

 

コンテンツを見る側としては、できるだけ手軽に情報なり刺激なりを享受したい。ただ、一時的な刺激のみを求めるのならいざ知らず、本格的に知識を仕入れたり技術を身につけたいと思うのならあまり楽な道はないと思った方がいいだろう。残念ながら「スピードラーニング」方式のような努力せず簡単に身について欲しいと願うのは人間の性だから受け入れるか諦めるしかないが、それでも「そんな簡単だったらみんなやってるよな、少なくとも車の免許よりは難しいんだな」と覚悟する必要がある。(別にスピードラーニングを批判するわけではないが…その評判は知っているぞ)

 

僕も本当なら本のタイトル通りのスキルが身について今頃「デキるヤツ」になるはずだった。それが何を間違えたのか「周囲の人間でもできることだ難しいヤツ」になってしまった。完全な頭でっかちである。もっともそこまでの知識すら入ってないのだが。それにも関わらず、良いタイトルをした本に出会うと思わず中を読み、買ってしまう。

 

そして期待以上の成果は得られないまま、また別の書籍に手を出す。まるで何度も詐欺の被害に遭う学習しない被害者のようだ。もっとも僕の場合非は僕にある。うまく活用できていない方が悪いのだ。

 

ただ、こう何度も同じことをくり返すとさすがに原因追及したくなる。例えば今まで流していた本の情報をもっと丁寧に読み込むために

 

yayoizin.hatenablog.com

 という記事を書いた。あ、このブログ敬語にしてたっけ……もとい!ルポルタージュ風に本の内容を実践していけば自然と行動が「デキるヤツ」のそれになると思っていた。だが、実際には行動に移せない項目が多かった。たぶん、ハードルが高かったのだ。とび職の人にとっては高さ3メートルなんてたいしたことないだろうが、高所恐怖症に人にとっては2メートルで十分怖い。

 

「朝の時間を有効活用する」という目標があったとして、朝6時に起きている人と朝10時に起きている人とではスタート地点が違う。さらに早起きだったとしてもその時間をどう利用するかは人によってバラバラであり、早起きするのは簡単だけど何をしたらいいかわからない人もいるだろう。そうなったときに挫折してゼロに戻るのは非常にもったいない。だが、やりがちだ。日記の三日坊主は多いというが、日記を書くという行為が人によっては大きな負担になるから途中でやめてしまうのだ。自己啓発書は「勝ち組」が書いた本だから要求の度合いも高い。「無理はしないで、あなたらしく…」なんて書かれているのは著者がカウンセラーとか心理士とかなのだろう。

 

そもそも、僕のような者は弱者側の人間であり、それでもなんとかよりよい1日を過ごさんと自己啓発書に手を出す。他方で、「今よりもっと上に行くために!!」という極めて高いエネルギーを持った人も自己啓発書のお客さんである。そして当然のごとく後者の方が自己啓発書の中身を自分のものとする確率が高い。というか、自己啓発書の著者もそっちをターゲットにしてるんじゃないかな。

 

弱者といっても難病や障がいを持っている本人の責任ではない弱者がいる一方で、僕らのような「弱者」は基本幸せ者である。昔の人が見たら「衣食住に恵まれて、著しく貧乏でもなくて、治安も良くなった社会で何が不満なの?」と理解に苦しむかもしれないが、端的にいえば「圧倒的に希望不足」な状態にある。

 

「どうせエリートにはなれない」「一生独身」「今後生きていて楽しいことはない」

など、将来の人生に希望を持てないのだ。で、極論「人生強制離脱」する。そういう人間に「生きてれば良いことあるって」とか「死ぬ前に死ぬ気で努力しろ!」などと言うのはナンセンス極まりない。もうアホである。共感の2文字を背中に刻んでやりたい。

 

これは「男脳」的な考え方だ。すなわち、問題に対して「正論」をぶつけにいく。いや、結構まともなこと言われるし、上の例だって全然間違っていない。むしろ「まさに、おっしゃるとおり!!」というアドバイスだ。惜しいのは当人の性格や特性をまるで無視している点だ。今まで彼女がいたことのない青年に「女なんていくらでもいるんだからナンパすればいい」というアドバイスは、老人に「1日10キロ泳いでください」と言うようなものである。命を脅されるようなことでもあれば、やれないこともないかもしれないが…無謀というか、結局できないことは目に見えている。

 

だから僕が声を大にして言いたいのは「もっとビギナー向けの本を書いてくれ!」ということだ。本当に全然できない、「のび太君から射撃・あやとり・友達を引いたような残念を極めたような人間」にもできるような自己啓発書を書いて欲しい。

 

それで基礎的なスキルと自信をつけた人は次のレベルに進めば良い。まあ、商品である以上難しいかもしれないが、勉強の教科書や問題集と同じく、「レベル別」に同じようなテーマで本を書いて欲しいものだ。というか、できれば自分でそれをしたいのだがこれがなかなか難しい。自己啓発書に書いてあることのハードルを良い塩梅下げるというのは至難のわざだ。でも、このブログでも一応トライはしてみるつもりだ。

 

 

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

またのご訪問をお待ちしております。

次はもっと良い記事を……

弥生仁。